死骨1

 今から四十億年前。ペルセウス座二重星団から来たペルセウス人の乗った宇宙船が事故を起こして太陽系の第三惑星に墜落した。当時の第三惑星は気温が数百度、海はぐらぐらと沸騰していた。宇宙からは強い紫外線や電荷を持った素粒子が降り注ぐ。過酷な環境だ。
「ローゲ技師、被害は?」
 偉大なる船長、ヒッパルコスがたずねた。
「〈ドリーマー〉のアルゴルが死にました」
 エンジニアのローゲが答えた。ヒッパルコス船長が、それを聞いて顔をしかめる。彼らは頭髪はないが、顔の作りは人類に近い。すこし魚に似ている。ペルセウス人たちは、ほぼ無限に近い寿命と生命力を持っていた。そんな彼らでも物理的な損傷には耐えられない。どんな生物でも単細胞生物ではないかぎり首がちょん切れれば死ぬ。宇宙でも通用する万物の法則である。
 ローゲ技師は先をつづけた。
「それと、バッテリーの〈マインド・エネルギー〉が放出されて、ほぼゼロになりました」
「うおっぷ……」
 横で聞いていた広報係のエイチカイが、顔を上げ、うめき声をだした。腕をばたばたとふる。ヒッパルコス船長は若いエイチカイを、軽蔑したように見た。きわめて優秀ではあるが、軽薄な部分のある若者である。まだ百三十万年くらいしか生きていない。人生修行がたりないのである。ローゲ技師はつづける。
「つまり、飛び立てません。それどころか〈マインド通信〉もできません。遭難信号を母星に送るどころか、船内の環境を維持するのが精一杯です」
「それじゃ選択の余地はないな。我々が茹であがらないように、がんがん冷やしてくれたまえ」
 ヒッパルコス船長は頭をぶんぶんふりながら、機関室の〈ドリーマー〉・アルゴルを見にいった。宇宙船は小さなビルくらいの大きさである。自動ドアが開かない。衝撃で歪んだのだ。ジャッキや油圧カッターがないと開かない状態だが、ペルセウス人は持ち前の怪力をもちいて手動でこじ開けた。そのとたん硫黄とアンモニアのにおいが鼻についた。ペルセウス人には、おなじみの死体のにおいだ。
「これはひどい。生死の確認をするまでもない。どう見ても死んでいる。いやになるくらい確実に死んでいる……」
 ヒッパルコス船長はげろを吐くのをこらえた。ペルセウス人も内臓の作りは人類と似ていた。口があり消化器があり肛門がついている。〈ドリーマー〉・アルゴルはドリームマシーンの中で、シラタキのようになっていた。それもすき焼きの中で、誰も手をつけないまま、徹底的に煮こまれたシラタキだ。
〈ドリーマー〉は常に眠って夢を見ている。それが仕事なのだ。〈ドリーマー〉は安全ベルトに類するものを使用しない。よい眠りができなくなるからだ。そのために墜落時の重力加速度に耐えられなかったのだろう。〈ドリーマー〉・アルゴルは眠ったまま気づかないうちに死んだと思われる。それがゆいいつの救いだった。ヒッパルコス船長は頭をぶんぶんふり回した。これは人類と同じで〈こりゃいかん〉という仕草である。
 宇宙船の乗員は十二人だった。名前はヒッパルコス、エイチカイ、ローゲ、カルドウェル、バッティスタ、エラトステネス、オディエル、ファフナー、フンディング、フリッカ、ペトル。それとシラタキのようになっている〈ドリーマー〉・アルゴル……
 ヒッパルコス船長は、小鳥のような鳴き声をあげて唄い、追悼の意を表した。彼らの言語は人類とはまったくかけ離れていた。文化ももちろんちがう。おそらくは〈すき焼き〉は食べないと思われるが、人類にわかりやすいように意訳をしておいた。文章中に妙に人間くさい言い回しがあらわれるのはそのためである。
 ペルセウス人の声は人類の耳には小鳥がさえずっているように聞こえるだろう。言葉というより鳴き声に近い言語体系だ。音程と音色と音量と速度で意味を伝えているのである。彼らはすばらしい耳を持っていた。どんな異質な言語でも、オウムのようにたちどころに習得してまねすることができた。
「船長……我々はこの原始の惑星で、このまま一生を送るのでしょうか」
 船内で一番若いエイチカイが不安そうな表情でたずねる。
「〈マインド・エネルギー〉をためるには知的生物の存在が不可欠です。感情の動きをエネルギー化するからです。しかし、ここには文明どころか、生命自体が存在していません」
「心配するな、若者よ」
 偉大なる指導者ヒッパルコスは操縦室にもどりながら答えた。他の乗員たちも心配そうな顔で見ている。ここは乗員たちを安心させなくてはならない。ヒッパルコス船長はトランペットのように力強い声を張り上げた。
「我々は〈マインド・エネルギー〉をため帰還する!」
 神妙に聞く乗員たち。電線にとまっているスズメのようだった。
「我々には長寿という味方がある。さいわいにもこの惑星は生命が誕生する条件を備えている。気長に知的生物が誕生するのを待とうではないか。いずれ文明が生まれ我々が必要とする〈マインド・エネルギー〉を集めることができるようになるだろう……」
 ヒッパルコスはペルセウス人の中でも、ずばぬけた長寿として知られていた。無限に近い時の流れの中を生きてきた。一説によると宇宙の誕生を横で見ていたともいわれるが、本人は物理的に不可能だと笑って否定していた。
「はい、船長。わかりました」
 乗員たちはいっせいに答えた。論理の力によりそれが可能であることを、たちどころに理解したのだ。彼らの文明は論理性が高い。数世紀にわたる長考はざらだし、そういう環境が論理性を増長させる。彼らは船長を信頼し迷いはない。船長が信頼に値する人物であることを論理的に知っているからである。
 ただ、エイチカイだけは、船長の目の中にかすかな不安を感じた。乗員を安心させるために、自信のあるふりをしているだけではないか? エイチカイは抜け目がなく、かつ他人を信用しない。このへんが〈きわめて優秀〉といわれるゆえんでもある。
 本来こういう裏表のある人間は、長期が予想される今回のような旅では選考されないのだが、エイチカイはペルセウス人の中でも極端に知能が高く、内面のイメージをコントロールすることにたけていた。つまり他人をだまして乗りこんできたのだ。エデンの園に潜むヘビである。狡猾そうにエイチカイがたずねる。乗員の中でエイチカイだけが船長を信じていなかった。
「気長といいましたが、どれくらいかかるんですか」
「ま、百億年もあればどうにかなるだろう」
 船長がいう。目がすこし笑っている。
「ひ、百億……」
 エイチカイが青ざめて震えた。ペルセウス人もやはり青くなるのだ。

 ペルセウス人の船は〈マインドワープ航法〉という技術で動いている。彼らは夢と現実を対等なものと考えるユニークな文明をもっていた。人類にも、オセアニアの原住民アボリジニのように、彼らに近いものの考え方をしている人々がいる。ペルセウス人たちは、その果てしない歴史のすべてを夢、および心の中を探求することに費やしてきたのだ。
 その成果のひとつが〈マインド・エネルギー〉の発見である。喜怒哀楽。人間が感情を表すとき、〈マインド波〉というエネルギーを放出する。ペルセウス人はそれを〈マインド電池〉——ほんとうはニワトリが首を絞められたような鳴き声の言葉——と呼ばれるバッテリーにためることに成功した。クリーンで強力なエネルギーである。彼らの文明は〈マインド・エネルギー〉を動力源に築かれていた。
 さらに重要なのは夢だった。自分の夢を思い浮かべるがよい。夢の中では時間も空間も関係がない。ずっと昔に死んだものと会話をかわすことができる。また、いっしゅんで宇宙の果てから大阪まで移動もできる。夢だからとうぜんだ。論理性がないからである。これを現実の世界の移動に利用できないか?
 やがてペルセウス人は夢とは〈ひとつの空間〉であることに気づいた。心の中に存在している一種の〈RAM空間〉である。夢を見ているあいだだけ構築され、目を覚ますと消え失せる。
 ただ人によっては、目を覚ましているあいだも〈RAM空間〉が消えない特殊な能力のものがいる。夢見がちな人々、夢想家、幻覚者、はたまた昼行灯などと現実世界ではろくな言われ方をしないが、じつはそれはたいへんな能力だったのである。シャーマンやイタコにも近い資質のものがいる。彼らは〈ドリーマー〉と呼ばれた。
 彼らは次に夢の〈RAM空間〉に侵入して出ていく技術を開発した。ここでも〈ドリーマー〉たちが大活躍をした。理屈はこうである。人または物体を〈ドリーマー〉の夢見る能力により〈ドリーム変換〉をする。これは一種のデジタル変換のようなものだ。こうして夢の〈RAM空間〉に入る。出るときはふたたび〈ドリーマー〉により〈ドリーム変換〉されて現実化する。
 言葉でいうのは簡単だが、そんなことができるのか? しかしペルセウス人には、ほぼ無限の時間を使えるというたぐいまれな長所があった。成功するまで、または確実に不可能と判明するまで、実験をくりかえせばいいのである。今回も彼らは成功した。何億年もかければ、思いついたことはだいたい実現できるものである。
 次にペルセウス人たちは、この技術を移動と通信に使えるのではないかと考えた。移動と通信は実質的に同じものである。パソコンでいうならば、テキストだけで送るのが〈通信〉、3Dで送るのが〈移動〉である。
 ここでのポイントは夢の中は、空間だけでなく時間も変幻自在に移動できることである。だって夢だからである。つまり、移動装置であるとともに、タイムマシーンでもあるのだ。仕組みはこうだ。〈ドリーマー〉の能力によって夢の中に入る。夢の中で移動する(時間も空間も)。夢から出て、別な地点に現れる。
 彼らはこれらの実現に十数億年の歳月をかけた。
 次に重要なポイントは、夢だからかかる時間は、ゼロ秒であることだ。大長編の夢を見ていたのに、起きたらいっしゅんしかたっていなかった……こういう経験はないだろうか? 夢だから時間は関係がないのだ。
 こうして〈タイムマシーン兼用の瞬間移動装置〉が誕生した。彼らはその技術に〈マインドワープ航法〉と名付けた。通信の場合は〈マインド通信〉と呼ぶ。ちなみに彼らの発声では〈マインドワープ航法〉は『ヒキガエルが鍋で煮られるような鳴き声』で、〈マインド通信〉は『ガチョウが百万羽で合唱するような鳴き声』だ。
 ただ〈マインドワープ航法〉には、膨大な〈マインド・エネルギー〉が必要だった。こうしてあわれなヒッパルコスたちは、原始の地球上で動けなくなったのである。

「我々に必要なのは豊かな感情のある知的生命体の出現である。それには文明の誕生が待たれる。もちろん〈ドリーマー〉も必要だ」
 ヒッパルコス船長が乗員たちにいった。船長の目は数十億年先の未来を見つめていた。この後、長い時間の流れの中でいくつもの文明が生まれ滅んでいくことだろう。いつかペルセウス人たちに近い〈使える〉ヒューマノイドが生まれるかもしれない。もちろん、生まれないかもしれない。
「でも、船長。ルーレットのようにたまたま自分たちに似た連中が出てくるのを待つこともないですよね。我々の細胞を培養してばらまいたらどうでしょうか」
 如才なくエイチカイがいう。
 この若者はなかなか有能だ。ヒッパルコス船長は広報係の青年を見つめた。他のものより、頭の回転がはやく、するどい。しかし、こういう人間はときとして、道をふみあやまると、おどろくべき愚かな人間になることがある……
 お前はいったいどっちの道をゆくのか? 偉大なる船長は、だまって若い広報係を見つめた。百億年後には、わかることだろう。
「いい考えだ。ローゲ技師、それは可能か」
 ヒッパルコス船長は船のエンジニアにたずねた。
「もちろんですとも。せっかくだから、アルゴルの死体を使いやしょう。すべての生命のみなもとが、アルゴルのおっさんだとは、しゃれがきいてていいですよ。やつが生きてたら、大笑いしたことでしょう」
〈ドリーマー〉・アルゴルは、なかなかいいやつだったのである。

 彼らはハッチを開けて、高温で煮えたぎる海をながめていた。身震いをする。地獄のような惑星。海は生まれたばかりだ。大気の温度は数百度。気圧は百気圧くらい。これで水が蒸発してなくならないのは気圧が高すぎるためだ。酸素はほとんどない。そこに数百度の熱湯の雨が果てしなく降り注ぐ。
「ひどい世界だ。ペルセウス人でなければ即座に死んでいるだろう」
 ヒッパルコス船長はつぶやいた。ペルセウス人はじょうぶな肉体を持っていた。熱気が壁のようにせまってくる。ヒッパルコス船長は、さっさとアルゴルから培養した細胞が入った、いくつかのボックスを海に放りこんだ。今は水温が高すぎるので、もっと低くなってから口が開くようにセットされていた。ついでに、生体試料をとったアルゴルの身体の残りも放りこんだ。肥料くらいにはなるだろう。これらと、おそらく我々に付着しているビールスのたぐいが、この赤い惑星の生命のみなもとになるのだ。
「赤い赤い死の世界だ」
 ハッチを閉めてヒッパルコスがいう。ペルセウス人にさえ暴力的な熱気がようやく去った。この調子では、かなりの長い時間、船内で休眠して、すごすことになるだろう。起きていても動物的には問題はないが、ひますぎる。
 頭をぶんぶんとふる船長。気が長いとはいえ、長時間は長時間なのだ。続いて天を仰いで、腕をコンブのようにひらひらゆらす。人間ならば、神頼みをしているというところだが、あいにくペルセウス人に宗教はない。
 ただ論理的には、いずれ適した文明が誕生するのはわかっていた。それには、まだまだ時間がかかりそうだ。今のところ、熱湯の海の中からフレンドリーなアメリカ人が飛び出してきて、気のきいたジョークをいい出す気配はなかった。
「いつか豊かな緑の星に生まれかわりますよ。ま、青かピンクかは知りませんが……」
 エイチカイがいう。まじめな場面で冗談をいうところはアメリカ人っぽい。もっともアメリカ人が現れるのは、四十億年後だが。
「そう願いたいものだな。惑星全体の進化となると、我々にはできることはあまりない。多少は、つっついて軌道修正くらいはやれるとは思うが……」
 乗員たちは船の窓から、地獄のような新世界を見つめていた。これから永遠に近い時間、このように見つめることになるだろう。絶望的な気分はなかった。ペルセウス人はしんぼう強くて気が長い。
 待てば海路の日和あり。
 こうして地球上に生命が生まれた。

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