空手対幽霊

〜神は時には極めて悪魔的〜
時間はすでに深夜一時。散歩=覗きを始めて、二時間近くが経過していた。身体はかなり疲れた。しかし、精子袋は田中を歩かせ続けた。断じて許してくれなかった。非情で無慈悲。股間でサタンが笑っていた。今夜は満 ...

空手対幽霊

〜ボクの精液は美しい〜
というわけで、今日も田中はアパートの、敷地内に入らないと思われるぎりぎりの場所に立ち、部屋の中の秘密めいた声に耳をすませていた。
「うふふふ……ああん……うふふふ」
今にもばこばこと犬の ...

空手対幽霊

〜薄くて黒い田中康司〜
時間は夜の十一時。田中は散歩に出ることにした。
「ザ・ミッドナイ〜ト。くふふ」
三流大学しか出てないが、田中は基本的にインテリだった。ただの散歩に出るにも、つい横文字が口をついて出てしま ...

空手対幽霊

〜ボクの青春、腐ってる〜
次に気がついた時、田中は自分の部屋でコンピューターに向かって仕事をしていた。さすがに田中は驚いた。
「記憶が飛ぶというやつか」
激しい試合をする格闘家には、たまにある症状だった。本人は ...

空手対幽霊

〜血の制裁〜
その日の鉄玉郎の道場では、血の制裁が行われた。主に狙われたのは、門下生のメガネオタクで、自称ウェブ・クリエーターの田中康司だった。
顔に汚らしいぶつぶつがいっぱいある男だ。そのいくつかからは、いつも膿が吹 ...

空手対幽霊

〜この腐れ公安め〜
今日は鉄拳会館の練習の日である。鉄拳会館のような弱小の空手流派では、自前の道場を持つなんてことは、夢のまた夢だ。
鉄拳会館は武蔵野市北町にある、武蔵野市学習センターという施設の、第二集会室を借りて、 ...

空手対幽霊

〜肉太鼓〜
ハァ〜、脂肪太鼓でェ〜、ドンドコドン!
気のせいか遠くから、祭り囃子が聞こえてきた。堀江も一緒に踊りたくなった。いや、ある意味では堀江は既に生殖ダンスを激しく踊っているともいえる。
クライマァ〜クス ...

空手対幽霊

〜気持ちの良い寄生虫〜
裕恵は背中を向けて床に寝ていた。いびきは聞こえないので、寝たふりをしているだけ——豚と関わりたくはないので——かも知れないが、よくわからなかった。
ここでなにか気のきいた声をかけないとならない気 ...

空手対幽霊

〜ミッドナイト・フルート作戦〜
もうすぐ、トンカツの最後の一口を食い終わろうとした時、部屋のドアをノックする音がした。時間は夜の12時25分。こんな時間に——いや、こんな時間じゃなくても、堀江の臭いアパートにやって来ようなどと ...

空手対幽霊

〜人権だから死ね〜
「情けない……」
何度思い返しても情けなかった。悲しみに胸が張り裂けそうになり、堀江はトランクスの端から顔をだしているチンチンを握りしめた。硬くなってきた。
情けないが、この時の回想以上のオ ...