空手対幽霊

〜地獄の炎が見えるか〜
絶叫した結衣は、アイマスクを取り、男の顔を見た。
どうして知っているの?
結衣の心の中は疑問符でいっぱいになった。なぜか男には、結衣の心の中の声が聞こえるようだった。男は返答した。 ...

空手対幽霊

〜女子高生のひき肉〜
結衣が成績の悪い女子高生だった頃——十年後にまだ制服を着ているとは思わなかったが——よく一緒に遊んでいたのが、ミサエという女だった。
ミサエはバカだった。結衣も負けじとバカだった。バカはバカを磁石 ...

空手対幽霊

〜モヘンジョダロ〜
イメクラの控え室で、鉄拳会館門下生である結衣は、煎餅をばりばり食いながら、低俗なレディスコミックを読み耽っていた。どろどろとした嫁姑もの。風俗嬢はなぜか嫁姑ものが好きだ。
控え室は六畳ほどの部屋で、 ...

空手対幽霊

〜兄さん、背中が燃えているぜ〜
男の姿は特に印象に残るものではなかった。一見、歌舞伎町によくいる酔客の一人にしか見えない。泥酔しているわけではなく、足取りはしっかりしている。もしこの男をまじまじと見たりする者がいたら、その人は ...

空手対幽霊

〜我ら昆虫〜
シデムシの幼虫は驚愕した。荒れ放題のじめじめと湿った庭から、毎日の巡回コースの餌場である廃屋の部屋の中に入ると、硬くて歯が立たなかったほ乳類の巨大な乾燥肉が、粉々に粉砕されているではないか。これは親が子供に食べや ...

空手対幽霊

〜肉太鼓〜
ハァ〜、脂肪太鼓でェ〜、ドンドコドン!
気のせいか遠くから、祭り囃子が聞こえてきた。堀江も一緒に踊りたくなった。いや、ある意味では堀江は既に生殖ダンスを激しく踊っているともいえる。
クライマァ〜クス ...

空手対幽霊

〜気持ちの良い寄生虫〜
裕恵は背中を向けて床に寝ていた。いびきは聞こえないので、寝たふりをしているだけ——豚と関わりたくはないので——かも知れないが、よくわからなかった。
ここでなにか気のきいた声をかけないとならない気 ...

空手対幽霊

〜ミッドナイト・フルート作戦〜
もうすぐ、トンカツの最後の一口を食い終わろうとした時、部屋のドアをノックする音がした。時間は夜の12時25分。こんな時間に——いや、こんな時間じゃなくても、堀江の臭いアパートにやって来ようなどと ...

空手対幽霊

〜人権だから死ね〜
「情けない……」
何度思い返しても情けなかった。悲しみに胸が張り裂けそうになり、堀江はトランクスの端から顔をだしているチンチンを握りしめた。硬くなってきた。
情けないが、この時の回想以上のオ ...

空手対幽霊

〜パンツに大便のついた女〜
午後11時45分、パンツに大便のついた女は堀江の部屋にやってきて、パンツを脱いだ。もちろん、ウンコの臭いがした。堀江もエビチリソースで顔がべたべたしてるんだから、二人で風呂に入って——豚のくせに風呂 ...