ヒトデ男の恐怖

【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖
~ザ・ネスト~
巣。ネストである。やつらは暗い巣の中で、うごめいていた。
「憎い……。この世の全てが憎い」
ひとりが口を開く。死んだような目をしている。その目の中には憎しみの ...

ヒトデ男の恐怖

~ハクビシン~
代田橋の駅前のラーメン屋の店主、珍保長太郎は愛用の業務用自転車『チンポ号』に乗って走っていた。うららかな春のはじまり。気温はまだ低いが、そのなかに生暖かな春の陽気を予感させる風が吹いていた。今日は天気が良い。 ...

ヒトデ男の恐怖

~弱虫探偵団~
珍保長太郎は赤堤沼の前で、地元の子らに会った。
「あっ、珍さん」
子らが声をかける。
「うわっ!」
愛車、チンポ号に乗ろうとしていた珍保長太郎は、ふいに藪の中から声をかけられたの ...

ヒトデ男の恐怖

~闇にうごめくもの~
なぜか、とつぜん、怒り始めて去ったラーメン屋店主を見送りながら、子らはあぜんとしていた。
「珍さんはなにを怒ってるのかな?」
モヤシが言う。
「あの男は頭がおかしいからな。きょどう ...

ヒトデ男の恐怖

~オタマジャクシは漢方薬~
ぶつかった相手は地元で評判の悪い中学生だった。
一年生で名前は唐木政治。わがままで乱暴者。
同年代には相手にされないので、いつも年下の子供をひき連れて遊んでいる。
モヤシたち ...

ヒトデ男の恐怖

~ウルトラ忍者~
代田橋駅前の汚いラーメン屋『珍長』。
今日も店長の珍保長太郎は機嫌が悪かった。
客が少ない。
売り上げが少ない。
金がない。
そもそもの原因は珍保長太郎の怠惰な態度にあ ...

ヒトデ男の恐怖

~ブラザー・サン~
モヤシは弱虫探偵団の仲間と別れて、家に帰った。
もともとはホラー探偵団と名乗っていたのだが、珍保長太郎が、いつもの調子で勝手に弱虫探偵団と呼び出して定着してしまった。
もちろん、この方が事実 ...

ヒトデ男の恐怖

~あれが殺しにくるよ~
トロを食い損ねた小犬は、裏庭の錆び付いたエアコンの陰に隠れていた。
下水口の奥に、いやなやつがいる。悪いにおいがするぞ。
これに見つかったら、食べられてしまう。
小犬は鼻をひくひ ...

ヒトデ男の恐怖

~昼の行灯~
弱虫探偵団の子らには、河童などはいるわけがない!と偉そうに断言したものの、珍保長太郎はその話が気になって仕方がなかった。念のために、翌日の昼間、出前の帰りに赤堤沼を見に行くことにした。
「ぐわっ!」

ヒトデ男の恐怖

~柔道一直線~
世田谷区代田橋小学校。放課後の体育用具室。
モヤシはホラー探偵団のメンバーであるキチガイとデブに、家の裏に『河童』が出たことを報告した。
「ええーっ、河童が?」
「ああ、暗くてよく見えな ...

ヒトデ男の恐怖

~夜の行灯~
代田橋駅前。汚いラーメン屋『珍長』。
珍保長太郎はいらついていた。殺した大家の死体が気になる。押入れの中に押し込んできたので、近所付き合いもなさそうだし、急には見つかることはないだろう。
しかし、 ...

ヒトデ男の恐怖

~のっぺらぼう~
モヤシは、いきようようと帰宅した。学校では襲いかかってきた唐木将紀を倒した。
俺たち、ホラー探偵団もなかなかやるじゃないか。
もう弱虫探偵団などとは、誰にも言わせない。
後日、唐木から ...

ヒトデ男の恐怖

~水銀ラーメン~
珍保長太郎は、建築中の豊洲新市場の地下に行き、水銀をたっぷりと含んだ土を盗んできた。日本共産党の調査によると、大量のベンゼンやヒ素も入っているという。
これはいい。
俺の目的にぴったりだ。 ...

ヒトデ男の恐怖

~俺の人生、どうにもならん~
ウルトラこと門前正月は、いきようようと帰って行った。世田谷の夕焼けが美しい……。早春の空気がさわやかだ。こんなに気分が良いのは、何年ぶりだろう。持病になってる足の痛みも今日はほとんどない。二十歳く ...