[ヒトデ男の恐怖]

~地獄の底で笑ってるやつは誰だ~
大家の家の二階で、デブとキチガイは、すっかり絶望的な心持ちになっていた。
前日の夜。ヒトデ男がなにかを引きずって部屋に入ってきた。見ると派手な服装をした水商売風の女の身体だ。新しい犠牲 ...

[ヒトデ男の恐怖]

~働く昼行灯~
「そういえば、さいきん、ウルトラを見ていないな……」
珍保長太郎はひとりごとを言った。夕方の『ラーメン珍長』。あいかわらず客は少ない。アルバイトのバカは奥の方でなにかゴソゴソやっていた。オナニーでもして ...

[ヒトデ男の恐怖]

~お前も目を見えなくしてやる~
勢いよく『ラーメン珍長』を飛び出していった、中島ルルとグミの不遇な母娘。水銀ラーメンを食ったせいで、身体の中が原子力発電所のように熱く燃えている。
「どこだ……! バカ夫はどこだ……!」 ...

[ヒトデ男の恐怖]

~帰っていくウルトラマン~
ウルトラ忍者こと元俳優、門前正月は機嫌が良かった。ウルトラ忍者として自主的にパトロールしていることが地元で評判となり、フリーペーパーに載ったのである。気分が良かったので、今日は『ラーメン珍長』でウル ...

[ヒトデ男の恐怖]

~井戸の底~
赤堤沼の隣にある枯れた井戸の底。モヤシは兄に命じられて、キノコを収穫していた。さすがに井戸の底だけあって、じめじめとして暗い。まさにキノコの栽培にはうってつけだ。ここらの地名である『赤堤』の名の通り、土は赤土であ ...

[ヒトデ男の恐怖]

~お前も同じ姿にしてやる~
ウルトラ忍者に言われて、不遇な親子、中島ルルと娘のグミは『ラーメン珍長』にやってきた。ちょっとのことでは驚かない冷血鬼の珍保長太郎も、これには目を丸くした。
母親が、娘のつばの広い帽子を脱が ...

[ヒトデ男の恐怖]

~ヘブン・アンド・ヘル~
大家の二階。ヒトデ男の巣。二人の小学生、デブとキチガイはおびえていた。時々、ヒトデ男が入ってきて十個の目で二人を見て、舌なめずりをしては出て行く。保存用食料だが、おいしそうな若肉なので、だいじに取って ...

[ヒトデ男の恐怖]

~暑い国から帰ってきたスパイ~
モヤシは目を覚ました。
「ここはどこだろうか?」
だんだんと記憶がよみがえってきた。ヒトデ男に追われて庭に逃げ込んだ時に、穴に落ちたのだ。たぶん古井戸ではないか……。上を見ると穴 ...

[ヒトデ男の恐怖]

~最後の晩餐~
こうした調子で門前は、ボランティアで地域の見回りを続けた。あんがい、評判が良い。そのうち、名声が広まっていった。忍者がなんとか……、と言い出すのはよくわからないが、正義感のある篤志の人であると。
翌日は ...

[ヒトデ男の恐怖]

~当たらずとも、遠からず~
門前正月は、さっそうとパトロールを続けていた。先日、悪役プロレスラーに襲われていたキャバクラ嬢を救って以来、地域のパトロールが日課になってしまったのである。身体も心も調子も良い。ウルトラ忍者を演じて ...