【怪奇小説】ウンコキラー〜チンポコが切れて落ちている〜
〜チンポコが切れて落ちている〜
京王線の代田橋駅の北口を出て、左に曲がると大原稲荷神社がある。陰気で猥雑な感じの神社だ。神社というとありがたいものであるが、この神社はまったくありがたみを感じない。いかがわしいと言っても良いような雰囲気だ。なぜそうなのかはわからないが、そうなのだから仕方がない。ちょっと新宿の花園神社に似ている。こっちはまったくひとけはないのだが。
そんなわけでここは熱愛した恋人たちの青姦のメッカである。深夜の2時。広い大原稲荷神社の境内の片隅に、ふたつのひとかげがあった。不倫中の中年カップルである。
「ああ、ユリ。愛しているよ」
押川秀夫はそう言って、暗闇の中で女の身体をなでまわした。もちろん特に愛してるわけではないのだが、サービス精神が旺盛だったので、そういうことにしていた。
ゆったりしたワンピースの胸をもまれて悶えるのが谷口ユリ。胸が大きすぎるのでぴったりした服は着れないとか。もちろん腹の肉もずいぶんと豊かだ。
「ユリのおっぱい、大きいね。はあはあ。とても柔らかいよ」
鼻息の荒い押川。今日は二人で夕方から酒を飲んでいた。おかげですっかりベロンベロンである。ユリは女友達との飲み会に行く言って出てきていた。終電までには帰ろうと思っていたが、泥酔して押川に押し切られて終電を逃してしまった。
「そろそろ帰らなきゃ……タクシーで」
ユリは興ざめのするようなことを言った。
「でも、チンポがこんなに硬くなってしまってるよ……。これじゃあ射精するまでは収まらないよ……。はあはあ」
押川はユリの手を掴んで硬くなった股間に押し付けた。
「ああ、すごい。大蛇のように大きくなっている……」
まんざらではないようすのユリ。押川はあたりのひとけをうかがいながら、思い切ってチンポコを出してユリの中に入れた。
「ああん、ああん」
声を押し殺してあえぐユリ。そのうしろで押川は猿のように一生懸命に尻を振っていた。
「うう……、出る出る」
青姦に興奮していたので、入れて30秒もしないうちにイキそうになってきた。
「ええ、もうなの?」
愕然とするユリ。
「もう止まりません」
ゴムをつけてなかったので、押川はいそいでチンポコを抜いた。さあ、外に射精するぞと身体が緊張したその刹那!
シュッ!
押川は股間になにか冷気のようなものを感じた。次の瞬間、それは火山が爆発したように熱くなった。ふと横を見ると大きなナイフを手にした男が立っていることに気がついた。暗い中でなぜ見えたかというと、反対の手に懐中電灯を持っていて、ナイフを照らしていたのである。続いて男は懐中電灯を押川の足元にむけた。
「チンポコが切れて落ちているッ!」
押川は目で見たままのことを叫んでしまった。それほど、驚いたということである。また皮肉なことに発射寸前だったために、根元しか残っていない股間に射精感が湧き上がってきた。
ドピューッ! ドピューッ!
「何が出るかと思ったら血が出てきたーッ!」
しかしながらありがたいことに半分くらいは精液だった。だが、押川はあまり気持ち良さそうには見えなかった。
「痛いッ! 痛いッ! チンポコから精液のように血が出てるぞッ! 血と精液がまざってピンク色だーッ!」
「ひいッ!」
なにごとかとユリが振り返った。いつの間にか知らない男が横にいて、大きなナイフで押川の首を切り裂いていた。
「熱い!首筋がなにかで濡れている!」
押川は自分の首に手を当てた。大量の血が溢れ出ていた。泥酔のために血圧が高くなっていたのだろう。噴水のように血が吹き出た。耳がキーンとするな、と押川は思った。血圧の関係で耳鳴りがしてるのだろうか。押川は意識を失い、くずれおちた。
「ひ……ひいい……」
死んだ押川を見てユリは悲鳴をあげた。
「ウンコ・フェラチオ!」
いやなことを言って男がにじり寄ってきた。あまり力があるようには見えない。ユリは元モデルだったので背が高い。思い切って男を突き飛ばして逃げようとした。
ドンッ!
ところがあっさり捕まった。
「思ったより力が強いッ!」
男はユリの手首をがっしりと掴んだ。それから大きなナイフを振り上げ、勢いをつけて全力で手首の上に叩きつけた。
ゴロンッ!
とユリの片手が地面に転がった。またしても親切に男は懐中電灯で、それを照らしてよく見えるようにしてくれた。案外、良いやつかもしれない。ユリは驚きのあまり、数秒間は無言で落ちてる自分の手首を見ていた。それから絶叫しはじめた。
「ぎゃあああああああああああああっ! ぎゃあああああああああああああっ!」
キチガイのような叫びとはこのことである。もっともな話だ。
じょぼぼぼぼぼぼ……。
恥ずかしい音を立ててユリが失禁する。セックスの途中だったのでノーパンだ。夕方からビールを飲み続けていたので大量のオシッコが出た。恥ずかしいが、それどころの騒ぎではなかった。
にょっきり!
男はズボンのチャックを開けてチンポコを出した。ずいぶんと小さい。発達障害がある人かもしれない。あきらかに日常的にセックスをしていないとわかる、短くて恥垢にまみれた臭くて汚いチンポコである。男は、その不潔なものを女の口に近づけた。
「う……ぐ……。うぐぐぐぐっ!」
この世のものとは思えない汚いものを口に入れられて吐きそうになるユリ。チンポコなのにまるでウンコのかたまりのように臭い!
ウンコ……。そういえば、最近、この近辺で口の中にウンコを詰めて殺す連続殺人事件が起きている。この男がそれだわ、とユリは身をもって確信した。
じゅっぽん!じゅっぽん!
そんなユリにかまわず、男はのどの奥深く何度もチンポを押し込んでは、動かしていた。ふだんのユリならば抵抗も試みようが、なにしろ片手がチョン切れて転がっている状態では、身体に力が入らない。ほとんどなすがままの肉人形になっていた。
はあはあ……。
男の興奮した荒い息。気持ちが良くなってきたらしい。ずっとセックスをしていない男なら、フェラチオをされるととても気持ちが良くなるだろう。そのために大量の射精をしてしまい、脱力状態に陥るのではないか? 逃げ出すならその時だ! とユリは思って、自分からも舌を使ってちょっとサービスをしてみた。
「ううっ出る出る……」
男の身体がぷるぷるとプリンのように震え始めた。もうすぐ絶頂にたっする印だ。ユリはどんな臭い液体が出てくるか、と、かくごして待った。ところがそれは液体ではなかったのである。
「でっ出るッ!」
男はユリの口からチンポコを抜いて、なぜかいきなり後ろを向いて、お尻を出した。そして、ああ、神よ!男はおぞましいことに肛門をユリの口に押し付けた。
「ウンコが出たーーーーーーーーーーーーーーッ!」
男は絶叫して排便した。
ブリブリブリブリ! ブリブリブリブリ!
精液とは違う、それよりもっと嫌なものが大量にのどの奥に流れ込んで来た。しかも、そのウンコが、どこまでも出る! 量が多いのである。便秘気味なのであろうか。まるで一週間も大腸の中にたまっていてカチンコチンに固まっているような硬いウンコがどこまでも入って来る。
息が出来ない……。
飲み込むしかなかった。『チンポが汚い』どころのレベルの話ではない。相手はウンコである。ほんとうに嫌だったが、ユリはゴクンゴクンをウンコを飲み続けた。次々と胃の中にウンコが送り込まれてくる。だが、人間はそんなに大量のウンコを飲み込むようには出来ていない。しかも、下痢便ならともかく……それもかなり嫌だが……カチコチの便秘大便である。コンクリートを飲み込むようなものだ。たちまち、ウンコが口と喉に詰まり始めた。
「ウグッ……ウグッ……」
酸素を求めてユリの肺が痙攣して震える。だが、入って来るのはウンコばかり……。ウンコを吸っても人間は呼吸が出来ない。
硬いウンコ……。
ユリはウンコの硬さのことを考えながら、あの世に旅立って行った。人類が遭遇しうる最悪の死に方の一つであろう。
あらすじ
代田橋でウンコを口に詰めて殺す『ウンコキラー』による連続殺人が起きていた。犯人だと疑われたラーメン屋店主、珍保長太郎は真犯人を見つけるべく、孤独な戦いを始めた!
登場人物
珍保長太郎 :『ラーメン珍長』店主
バカ :新実大介
刑事青赤:
刑事青、青田剛
刑事赤、赤井達也
ミザリー、神保千穂
キャリー、小杉浩子
死にかけ老人、大山田統一郎
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