【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~ザ・ネスト~
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖
~ザ・ネスト~
巣。ネストである。やつらは暗い巣の中で、うごめいていた。
「憎い……。この世の全てが憎い」
ひとりが口を開く。死んだような目をしている。その目の中には憎しみの光しかない。
「そうとも、一郎兄さん。もっと、殺してやろう。俺たちは不幸なんだ。世の中に復讐する権利がある」
もうひとりが言う。
「二郎の言う通りだ。徹底的に戦うのだ。世の中はまちがっている」
一郎はうなずいて答えた。
「まったく、一郎兄さんも二郎兄さんも理屈っぽいな……。そのへんは遺伝かな。ひひひっ」
もうひとりが皮肉な笑いを浮かべる。
屈辱を感じて、一郎と二郎の目の色が変わる。臭い巣の中に緊張が走った。
「そのとおりでちゅ。三郎おにいちゃん。殺すでちゅ! とにかく、なんでもいいから、殺してやるでちゅ!」
あまり発育がよくなかったらしい、もうひとりが答える。
緊張の糸がほどけて、一郎と二郎はほっと溜息をついた。三郎は、好戦的な表情を浮かべて、にやついている。
「うえええええええええい。うえええええお。うえええええええお」
最後のひとりがうめく。
この者には知能はない。ただ、残酷な欲望があるのみ……。ひたすら、殺戮を楽しむ機械だった。
あらすじ
呪われた町、代田橋。ここでは今日も奇怪な事件が勃発して人々を恐怖のどん底に落としていた。血の気の多い『ラーメン珍長』の店主、珍保長太郎は謎の解明に挑む!
登場人物
珍保長太郎:『ラーメン珍長』店主
バカ:新実大介
ヒルアンドン巡査:安藤正義
弱虫探偵団
モヤシ:坪内文二
キチガイ:今金弓彦
デブ:田淵哲
モヤシの母:坪内伊佐子
モヤシの兄:坪内拓也
中学生:唐木政治
中学生の弟:唐木将紀
ウルトラ:門前正月
奥さん:中島ルル
旦那:中島圭太
娘:中島グミ
元プロレスラー:三船龍太郎
大家:生源寺荘子
ヒトデ男:
業務用自転車:チンポ号