【怪奇小説】青虫ラーメン〜瀬戸内寂聴ならば可能〜
〜瀬戸内寂聴ならば可能〜
こういう古い町につきものなのが、ヤクザである。下北沢は暴力団同士の取り決めやらなにやらで、事情は知らんが、どの組も手を出さないことになってるらしいが、代田橋はいるのである。しかも、地回りのしょっぱいヤ ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜猫と年寄りしかいない〜
〜猫と年寄りしかいない〜
数日後。時間が止まったような日常を珍保長太郎は送っていた。頭の悪い客にまずいラーメンを作って出して食ったら金を受け取る。賽の河原のようであるが、これが人生というものであろう。つまり、生きている間から人 ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜ゴキブリが聞いていた〜
【怪奇小説】青虫ラーメン
〜ゴキブリが聞いていた〜
「しかしまあ、もうちょっとましなラーメンが作れないもんかな……」
珍保長太郎は自分の店『ラーメン珍長』で独り言を言った。思っていることが口から漏れてしまう癖が ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜蛇の目覚め〜
〜蛇の目覚め〜
空き家を出て行く鉄玉郎の後ろ姿を見ている人影がいた。
新宿警察署刑事部、青田寧男だった。青田が、何件もの連続殺人に関係していると確信している血に飢えた殺人鬼、黒岩鉄玉郎は妙にすっきりした顔で出てきた。 ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜幽霊に顔射〜
〜幽霊に顔射〜
鉄玉郎は自分の背後で物音がすることに気がついた。オナニーに夢中で、危うく見逃すところだった。
振り向くと、先ほどの汚い子供が、ふらふらと這って逃げて行くところだった。頭の角が扁平にへっこんでいた。
【怪奇小説】空手対幽霊〜子供の命はないぞ〜
〜子供の命はないぞ〜
その時、部屋の入り口で、小さな悲鳴が聞こえた。
見ると、先ほどの昆虫採集の小学生が立っていた。
気味が悪い。
おそらく、中でがたがたやってるので、セックスでもしてるのかと、よだれを ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜幽霊 対 空手〜
〜幽霊 対 空手〜
鉄玉郎は振り返り、女ミイラのいた場所を見た。
床の上に文字が書かれていた。
ウェルカム
断定はできないが、女ミイラの粉が集まって、文字を構成しているようだった。ダニの集合体ではないよ ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜宇宙から来たエロ本〜
〜宇宙から来たエロ本〜
どんな鈍い人間にでも嫌なオーラを感じさせる場所というものがある。粉々になった女ミイラが眠る武蔵野市の外れにある廃屋。
ここが、それだった。
この土地の値段が高騰する時代にあっても、相変わ ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜俺の名は死だ〜
〜俺の名は死だ〜
暗黒。
何十年も人の住んでいない郊外の呪われた廃墟のドアの影で、悪意と憎しみの塊である未知なる生命体は生きていた。
持ってる感情は、どす黒い怒りのみ。タンパク質もDNAもRNAも持っていないが ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜ローマ法王がフェラチオ〜
〜ローマ法王がフェラチオ〜
新宿区歌舞伎町二丁目。都立大久保病院やハイジアの近くにある一見ごく普通のラーメン屋『上海亭』。
黒岩鉄玉郎は、今日も新宿一うまいと一部の変質的マニアに言われるラーメンを客に出していた。うまい ...