【怪奇小説】空手対幽霊〜笑うミイラ〜

12月 23, 2023

〜笑うミイラ〜
敵中横断三千里ッ!
彼らは日本人らしく勇ましく愚かな閧の声を上げながら、広い陰気な庭を駆け抜け、玄関のドアの前に来た。厚そうな樫の木のドアだった。今なら、このドアを作るとなると、けっこうな値段になるに違いない。昔は木材が安かったのである。
「チェェェェェェェストォォォォォォッ!」
鉄玉郎は僅かなためらいもなく、ドアノブを正拳の突きで殴りつけた。レゲエのベースのような、いやな感じの重低音が庭に鳴り響いた。痛い。しかし、開かない。
「拳を貸せッ」
鉄玉郎は太り過ぎのため立っているだけで脂汗を流してる堀江に言った。
「はいッ?」
よく意味のわかっていない堀江。やはり、デブは知能が低い。とりあえず、片手を前に出した。鉄玉郎はその堀江の拳を握り、元気良く頑丈なドアノブに叩きつけたッ!
グギャンッ!
少しかわいそうかも知れない。肉がつぶれる鈍い音の中に、確実に指の骨の折れたかん高い音が混じった。
「むぐッ」
悲鳴を上げそうになり、堀江はじっと耐えた。ここで大声を出すと、確実に指を骨折するよりひどい、鉄玉郎の鉄拳制裁が待っているのが、経験でわかっていたからである。
グッギャッンッ!
グッギャッンッ!
グッギャッンッ!
地獄絵図だった。口の端から血の泡を吹きだし、激痛で痙攣する堀江にかまわず、鉄玉郎は堀江のデブらしく肉付きが良い指の短い拳を、ドアノブに叩きつけ続けた。血と指肉の赤身がドアノブにこびりつき、白いプラスティックの破片のような骨片が、足下に飛び散った。
古いビルを壊す破壊槌のように、堀江の拳を使っているのだ。合理的なアイデアだ。二十一世紀の武道家ならば、黴の生えた精神論に頼らず、このように理知的かつ物理的科学的であるべきである。堀江の片手の指の骨が全部折れた。指骨、中手骨、手根骨……。今では、これらの骨は遠い思い出のように、粉砕され跡形もなくなっていた。
残りは尺骨と呼ばれる手首の太い骨だけだった。脂肪と赤身肉の層の下から、白い頑丈そうな骨が突きだしていた。鉄玉郎はこれを待っていたのである。
デブの骨は太い。大晦日に古刹の僧侶が除夜の鐘を叩くように、厳粛な気持ちで鉄玉郎は堀江の腕を握った。それから一瞬タメてから、驚くべき速さで堀江の手首の関節の骨を人体破壊槌として、洋館の堅牢なドアノブに叩きつけた。
「ブヒイイイイイイイイイイイヤアアアアッ!」
屠殺場で高圧電流を前頭部に流され昏倒した食用豚のように、堀江はとうとう悲鳴を上げた。たぶん、痛いのだろう。しかし、鮮血で赤い色に染まったドアノブは、びくともしなかった。困惑した空気があたりを包みこむ。
ふと、思いつき、結衣がノブを掴んで回してみた。あっさり開いた。
「鉄玉郎さん、開いてました」
結衣が報告する。鍵はかかっていなかったのだ。
「よしッ! よく気がついたッ」
ヒマワリで満腹したハムスターのような笑みを浮かべ、鉄玉郎が結衣に言った。緊張していた一行の雰囲気がほぐれた。彼らは、にこやかに笑い合った。
にこにこ。
うふふ。
それから、まったく無意味に粉砕された拳を押さえて——正確には手と呼ばれていた部分は、すべてカルシウム入り生ハンバーグになっていたので、存在しているのは手首とその先だけだったが——泡を吹いて泣いている堀江に鉄玉郎は一言、言った。
「ごくろう」
それを聞いて堀江は太り過ぎの尺取り虫のように、ぴょんと飛び跳ねて起き上がり、鉄玉郎に敬意を表し頭を下げた。
「やわな拳を鍛えていただきッ、ありがとうございましたッ!」
どうやら、このデブは自分が立派な『男』であることを、証明したようである。
デブの割にはやるじゃないか。
満足そうにうなずく、鉄玉郎。
一般人ならここで『告訴してやるッ!』『警察に訴えてやるッ!』と大騒ぎを始めても当然なところである。
しかし、彼らは骨の随まで武道家であったッ!
持っている人生観が、我々、正常な人類とは違うのである。これくらい、サンマの小骨だ。
堀江はうれしそうに、鉄玉郎を無言で見つめ返した。これで、一生片手の指がない生活を送るはめになったのだが、心の中は曇り一つない晴天だった。じゅうぶん、納得していたのであるッ!
デブの指の運命などはどうでもいいので、鉄玉郎らは室内に入って行った。建物の中は、割れた窓ガラスや壁の隙間から漏れる太陽光線で、意外と明るかった。床は重厚な木材。割れたガラスの破片や、どこからか紛れこんできた木っ端、枯葉、小石、虫の死骸が転がり、成長の止まったひねこびた短い雑草が、板の割れ目から陰毛のように生えていた。二十年も風呂に入っていない、ボケ老人の頭のフケのような細かい塵が、午後の光の中にきらきらと美しく輝いて浮かんでいる。
ところで、こういう場所に必ず落ちているのが、いつのものか、わからん古いエロ本である。インクの色の褪せた残骸。グラビアページでは、ギャラの安そうな昔の人が、おっぱいを出してニヤニヤ笑いかけている。
これらは、異次元から現れたものではないだろうか?
ある種の我々を見張るための監視機械かも知れない、と鉄玉郎はエロ本を見て考えた。
不自然にも、廃墟には必ずあるではないか……。
おかしな話である。
誰も詳しくは見ないが、ひょっとすると、実はすべて同じ雑誌が転がっている可能性もある。
この世のあらゆる廃墟の中に、同じ朽ちたエロ本が転がっているのだ。
恐ろしい。
鉄玉郎は、宇宙人の攻撃の巧みさに、身を震わせた。
しかし、このエロ本が即座に襲ってくる気配はなかったので、鉄玉郎は半径一メートル以内には近付かないようにし、慎重に歩を進めた。鉄玉郎の後ろをついてきたホストの如月が、なにも考えずエロ本を踏んづけた。突然、足首に噛みつくようなことは起きなかった。どうやら、ただのエロ本のようだ。
すっかり安心した鉄玉郎は、一番奥の部屋の前に出た。ここだけ鍵がかかっていた。今度はちゃんと始めに、ドアノブを回し引っ張ってみたから確かである。
俺は学習して進化している。
成長している。
進化して深化してやがて神化するのだ。
と鉄玉郎は考え、ニヤリと笑った。爬虫類のような暖かみのない笑みだった。
それにしても、さっきは微妙にやばかった。
つい、興奮して堀江のデブを一生、指なし男にしてしまった。
武道の訓練である、ということにして、ごまかしたが、普通に犯罪だと思うな。
門下生たちがバカで良かった。
鉄玉郎は拳を握り、自分は怪我をしないように、慎重に金属のドアノブではなく、その上の木が腐って柔らかそうなあたりを狙った。
「テイッ!」
気合い一発。鉄玉郎は腰をひねりながら右正拳をねじこむように打った。板が裂け拳がドアの裏側までめりこんだ。指をのばし内側の錠を外そうとしたが、錠はついていなかった。
変だな、これも宇宙人の仕掛けた巧妙な罠のひとつなのだろうか。
と鉄玉郎は考え不審そうに眉間に皺を寄せた。
しかし、よく見てみたら、この部屋のドアは四隅を太い釘で打ちつけられているので、開かないことがわかった。
「開かずの間か……」
木が腐っていることはわかったので、今度は足でがんがん蹴りまくった。ドアは粉々になった。中に入る。
「黴臭いっスね、鉄玉郎さん」
如月が言った。
この部屋は他の部屋と違い、何十年も封じこめられていたに違いない。空気が淀み重苦しかった。一行は恐る恐る部屋の中を進む。古びた木の床が軋む。コンクリートの壁には、黒い黴が子供がでたらめに塗りたくったように、うすぎたなく生えていた。それとは別に正体不明な茶色い染みも……。暗闇を好む柔らかい腹に無数の節をもつ黒い幼虫が、数十年ぶりの訪問客に慌てふためき這いずり回っていた。
「ビンゴ」
鉄玉郎がつぶやいた。
「幽霊屋敷の正体を見たり……女のミイラ」
乾燥した屍体が、壁にもたれるような格好で座っていた。ぼろぼろに朽ちた古そうなデザインのワンピースを身につけていた。干涸びてしわしわになった巨乳が、老婆の乳房のように無意味な色気を醸しだし誇らしげに突き出ていた。
これがほんとの干し葡萄……と鉄玉郎は乾いた黒乳首を見て、シャレにならないシャレを思い浮かべた。ばらばらになった長い髪が足元に落ちていた。頭には抜け残りの髪がまとわりつき、狂女のように見えていた。本当に狂女だったのかもしれないが、今となっては確かめるすべはない。
以前は美しかったのかもしれない顔には——もちろんブスの可能性もある——肉が残っていたが、なぜか頬の肉がえぐり取られたようになくなっていた。そのために笑っているようにも見えた。不吉な笑顔だった。
「笑うミイラか……」
なにがあったのだろうか。もちろん単にこの女はホームレスで、ここに忍びこんで病死したという可能性もある。しかし、ミイラの股間のあたりに——性器はまっ先に腐ってなくなったようだが——太い木の枝が勃起したペニスのように突き刺さっているのを見ると、なにか血の凍るようなできごとが、この気の毒な女を襲ったことは、間違いがない気がした。彼らは木の棒が挿入されたのが、女が息絶えてからであることを、祈らずにいられなかった。
「かわいそうに……」
普段は他人に対してドライな感情しか持っていない根っからの風俗嬢の結衣さえも、この女の身の上には同情し涙を流しそうになっていた。涙は枯れ果てているので、出はしないのだが……。
日頃は女性を食いものにし、OLを半年で風呂に沈めた……、などと自慢している三流ホストの如月も、常に食いもののことしか頭になく、人間などは『食ったら逮捕される肉』という認識しかない狂えるデブの堀江も、生きている価値などまったくない糞オタクの田中も、この干涸びて死んでいる女に同情して、目の奥が熱くなった。
「南無妙法蓮華経……」
なんと似合わないことに如月が、手を合わせて念仏を唱えはじめた。もちろん、本人にさほど信心があるわけではないが、北海道の両親が新興宗教の熱狂的な信者だったのである。殺伐とした毎日を送ってはいるが、信心深い両親の姿を見て育った善き影響は、心の奥底で決して消えることはなかったのだ。
如月の思いもよらぬ行動を見て結衣たちも心を打たれ、手を合わせてそれぞれの自己流で祈りはじめた。
みんな違ってて、それで良い。
頭にワラしか詰まっていない、血に飢えた体育会系の彼らであるが、見ず知らずの女性のために祈る姿は宗教的とも言えた。
確かに過酷な弱肉強食の世界で生きざるを得ない彼らは、祈りを止めたとたん、いつものドライで醒め切った人間性に戻ることであろう……。
しかし、今だけは、彼らの姿はすがすがしい美しさに満ちていたのである。暖かな感動が、彼らの荒んだ心をひとつに結びつけていた……。夏の午後の薄暗い空き家の中に、如月たちの唱える念仏が、静かに鳴り響いた。
その時、一筋の冷たい風が彼らの背中に吹き付けた。気のせいか急に空気がどんよりと重くなってきた。得体の知れない息苦しさを感じ、彼らはざわめいた。
「そういえばここに死体があることは誰も知らなかったんですよね」
腐れオタクの田中康司が、ふと怪訝な面持ちで言い出す。
「それがなんだ、糞虫」
偉そうに威張りくさって答える如月。門下生の中ではリーダー格なのである。
「死体は閉ざされた部屋の中にあったんでしょう。にもかかわらず、この廃墟は『幽霊屋敷』と呼ばれていたのは、なぜかなあって……」
「そういえば」
一同は急に深刻な表情になり悩みはじめた。おぼろ豆腐のような状態の脳みそをフル回転させる。確かに幽霊屋敷などと呼ばれる廃屋は、どこにでも存在するものだ。特に珍しいものではない。しかし、本当に中に死体があろうとは……。もしかして目に見えないある種の力が作用し、この家に近づく者に、中になにかがいることを感じさせていたのではないか?
……幽霊はいるのではないか。
門下生たちは、ぞくりと身体を震わせた。
「怖いか」
鉄玉郎は聞いた。
「はい」
うっかり答えてしまったのが、永遠の肥満児の堀江。やはり、デブは知能指数が低い。
「チェェェェェェェェェストォォォォォォォォォッ!」
全体重を乗せて打った鉄玉郎の突きが、堀江の丸い顔面にめりこんだ。
「おびえるなッ! 恐怖を克服するのだーーーーーーッ! 恐怖は……ッ」
鉄玉郎は顔にめりこんだ拳を引き抜く。指に堀江の折れた前歯が突き刺さっていた。汚いので不快な気分になった。鼻血が二本の赤い吊り橋となって、堀江の潰れた鼻の穴から、鉄玉郎の拳までのびていた。
「恐怖はッ! お前のッ! 心の中にッ! あるのだーーーッ!」
行動はともかく、なかなか良いことを言う鉄玉郎。身体を弓なりに反らし、もう一度、全力で腰のひねりを加えながら、堀江の顔の肉に拳をめりこませた。頭蓋骨が割れた手ごたえがあった。
殺したか……ッ?
と鉄玉郎は思い苦笑いを浮かべたが、残念なことに堀江は顔面を押さえて、汚い床をのたうち回っていた。
やはりデブなので、なかなか死なないのだ。脂肪やぜい肉の層が、常人の理解を絶するほど分厚いのであろう。
豚め。
糞食い豚め。
もっと力を入れてやるべきだった……。
と鉄玉郎は反省した。
まだ、俺は修行が足りない。
次は確実に殺さなくては。
一撃必殺だ。
どんな状況でも……たとえ部下とのふざけ合いの中での一撃でも、必ず殺さなくては、武道家としては負けである。
顔面血だらけの殻の割れたハンプティ・ダンプティのような姿で、堀江はすっくと立ち上がった。
「恐怖心ッ! なくなりましたッ!」
堀江は大声で叫んだ。脳が少しスカッシュされてしまったに違いない。
鉄玉郎は門下生の指導が、うまくいったので、満足げにうなづいた。
「俺はァーーーーーーーーーッ!」
コーナーポスト最上段によじ登ったキラー・カーンのような奇声を上げる鉄玉郎。
「なにもッ、怖くなーーーーーーーーいッ」
シュッ!
シュッ!
噛み締めた歯の間から、毒蛇のような息を短く吐く。
「これはッ、ただの干涸びたタンパク質とカルシウム分の塊であーーーーーーるッ!」
死体を指差す。
「チェェェェェェェェェストッ!!!!」
なんと鉄玉郎は、女ミイラの頭の上から、ものすごい勢いで突きを落とした! 巻きワラで鍛えた鉄玉郎の剛健な拳が、死体の乾いてもろくなっていた頭部を、一撃で粉砕したッ!
すっかり、塵のようになっていた脳みその粉末が、胞子のように狭い部屋を舞った……。
あまりに人間離れした鉄玉郎の蛮勇に、門下生たちは凍りついた。静まり返った部屋の中で、軽快にボクシンクのようなステップを踏む鉄玉郎。
ホッ、ホッ。
ハッ、ハッ。
調子が出てきたようだ。
跳ねるたびに這い回ってる地虫が踏みつぶされ、黄色い内臓が絵の具のように飛び出た。鉄玉郎は床を蹴るように足を上げ、軸足を回転させて一気に蹴りこんだ。
「回し蹴りッ!」
頭のない女ミイラのオッパイのあたりが、吹き飛んでなくなった。一同はひどすぎて言葉も出ない。あまりにも超人的なものを見た時、人間は善悪の判断ができなくなるものである。
「す……すげえ」
門下生たちは、ついうっかり感心しはじめた。
「……ような気がする」
あまり理解はできていないようだが。
パ……パチ……。
パチパチ……。
パチッ。
パチッ。
パチパチッ!
パチパチパチッ!
パチパチパチッ!
よくわからないまま圧倒されて、門下生たちは盛大な拍手を送った。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
彼らは熱狂的な歓声を上げた。
「さすがッ! 鉄玉郎さんだッ! 人類の倫理を越えているッ!」
「こんな偉大な師範代に教えてもらえるなんて、俺たち幸運だなッ!」
「やはり、これくらいの常軌を逸している人でないと、偉大な空手家にはなれないのだなッ!」
感動のあまり、彼らは涙を小便のように流した。
「これは、象徴的な恐怖だッ!」
死体を指差す鉄玉郎。
「お前たちも、その拳でッ、恐怖を粉砕するのだッ!」
エッ!
と思う門下生たち。
俺たちもやるの?
「いわばッ、これは空手成人式であるッ! ここでッ、一般人の理性の一線を越えた者のみッ! あっちの世界に行けるのだァッ!」
それを聞いて、門下生たちはゴクリと生つばを飲みこんだ。憤怒の形相でお前たちの肝の太さを試してやるとばかりに、睨みつける鉄玉郎。その顔に人間らしさは、まったくなかった。
「俺についてくるバカはいるかーーーーーッ!」
「オッス! もちろん、ついて行きますッ!」
門下生たちは古い死体に雪崩のように押し寄せ、殴り、蹴り、肘を入れ、膝を落とし、縦拳、一本拳、中高拳、鉄拳、裏拳、手刀、背刀、貫手、刀峰、掌底、狐拳、蟷螂拳などなど……ありとあらゆる乱暴狼藉を働いた。
もともと脆くなっていた死体は、あっという間に粉々に砕かれてしまった。言わば空手コンポストである。粉末になった死体が、どこからか吹き抜けてきた風に揺れていた。まるで、生きているようだった。
「ハアハア……俺たち……一線を越えたな……」
荒い息を吐いて、お互いを見る。
「……越えたわね」
大いなる成果を上げた鉄拳会館の空手家たちは、胸を張って幽霊屋敷をあとにした。
深い暗闇の底。憎悪の塊が横たわっていた。長期間に渡り尋常ならざる憎しみを、他人に抱き続けたことがあるだろうか……。それは、その者の魂を確実に腐敗させていく。
長い時の流れの中で、人間的な記憶は失われていく。しかし。憎悪だけはなくならず、より先鋭化していった。やがて憎悪だけが、別の意思を持ったかのように、歩き回りはじめる。純粋憎悪とでも言うべき存在である。それは氷のように冷たいが炎のように熱い。それは怒りに燃えている。怒りを燃料に動き続ける。
やがて、それはなんらかの力を持つようになったことに気がつく。
さて、復讐の時間だ。

あらすじ
空手家の黒岩鉄玉郎は弟子と肝試しに廃屋に入る。そこで見つけたのは、女のミイラ。それは異常な変質者にレイプ殺人されてしまった女子大生だった。ところが黒岩鉄玉郎は、女ミイラを空手で粉砕する。激怒した女ミイラの悪霊は、彼らを呪い殺していく。空手対幽霊という物理的に不可能な戦いが始まった!
登場人物
黒岩鉄玉郎 : 空手家
如月星夜 : ホスト
田中康司 : 糞オタク
堀江 : デブ
結衣 : 風俗嬢
女子大生 : 被害者
青田寧男 : 新宿署刑事