【怪奇小説】空手対幽霊〜カッター・ファック〜
〜カッター・ファック〜
男はふいに黙り動きを止めた。数十秒後にゆっくりと頭を上げ、緊張した面持ちで中空を睨む。
「ふう……」
突然、男の空気が変わった。なぜか男は改心したかのように、ため息をついた。今やっている ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜死出虫〜
〜死出虫〜
何十年も手入れのされていない、荒れ果てた庭に、一番乗りしていたのは、クロシデムシの幼虫だった。林の中から、人間には聞こえない周波数を感じ、集まってきた。黒光りのする節のある腹を波立たせながら、早く死体の処理をしたい ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜完全なキチガイ〜
〜完全なキチガイ〜
「ぎゃあああああぎゃあああああぎゃあああああああああああッ!」
男は絶望の叫び声を上げる女の、長い髪の毛を鷲掴みにし、元気よく引きずり起こした。べりッ! べりッ! という小気味良い音とともに、女の髪 ...
【一般作品】鎌倉

鎌倉
愛と倦怠のロードムービー!
ウサギのウサ子とハムスターのハム君は中年期の倦怠夫婦である。
とある休日、二人は思いつきで鎌倉に日帰り旅行に出かけた。ところが鎌倉駅前にあった態度の悪いカレー屋の