【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~スチーム・ローラー~
~スチーム・ローラー~
シュッポ! シュッポ! シュッポ! シュッポ!
人間スチーム・ローラーである拓也は、軽快に路上を進んでいた。頭の中は明快、かつ、明晰。かつて、これ以上、曇りがなかったことはない。蒸気機関のことが ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~サンダー・ファイヤー~
~サンダー・ファイヤー~
あな恐ろしや、ヒトデ男の怪異。
しばらくして、モヤシが兄をラーメン珍長に連れてきた。ついでに、デブとキチガイもついてきた。今回の冒険の打ち上げという感じらしい。モヤシの兄、坪内拓也は十年ぶりに ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~ファイヤー・サンダー~
~ファイヤー・サンダー~
珍保長太郎はヒトデ男を、ラーメン珍長に招待した。
「これがラーメンというものであるッ!」
ドーン。
と、出された食物を見て、ヒトデ男は驚いた。人間には違いないが、やはりこのよう ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~お前を肉便器にしてやる~
~お前を肉便器にしてやる~
ゴロゴロゴロ。
にわかに空が暗くなってきた。さいきん、世田谷では滝のような夕立が降ることが増えた。大きな雨つぶがぱらついてきた。歴史的な大雨が降ってきたら、どうなるだろうか、とモヤシは考えた ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~お前も目を見えなくしてやる~
~お前も目を見えなくしてやる~
勢いよく『ラーメン珍長』を飛び出していった、中島ルルとグミの不遇な母娘。水銀ラーメンを食ったせいで、身体の中が原子力発電所のように熱く燃えている。
「どこだ……! バカ夫はどこだ……!」 ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~帰っていくウルトラマン~
~帰っていくウルトラマン~
ウルトラ忍者こと元俳優、門前正月は機嫌が良かった。ウルトラ忍者として自主的にパトロールしていることが地元で評判となり、フリーペーパーに載ったのである。気分が良かったので、今日は『ラーメン珍長』でウル ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~お前も同じ姿にしてやる~
~お前も同じ姿にしてやる~
ウルトラ忍者に言われて、不遇な親子、中島ルルと娘のグミは『ラーメン珍長』にやってきた。ちょっとのことでは驚かない冷血鬼の珍保長太郎も、これには目を丸くした。
母親が、娘のつばの広い帽子を脱が ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~最後の晩餐~
~最後の晩餐~
こうした調子で門前は、ボランティアで地域の見回りを続けた。あんがい、評判が良い。そのうち、名声が広まっていった。忍者がなんとか……、と言い出すのはよくわからないが、正義感のある篤志の人であると。
翌日は ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~不老不死の薬~
~不老不死の薬~
ウルトラこと、元俳優の門前正月は機嫌がよかった。
「店長! このウルトラーメンはまったく素晴らしいですね! 宇宙の歴史で一、二を争う、うまさですよ! 私はこれに出会って人生が変わりました。今までは、な ...
【怪奇小説】ヒトデ男の恐怖~ヒトデ男の恐怖~
~ヒトデ男の恐怖~
獲物が手に入らないところに行ったことを知ったヒトデ男は、赤堤沼に戻って行った。月の光が雲にさえぎられて届かなくなると、セルロイド人形の子供たちは、ただの人形に戻って行った。陽気なタヌキの楽隊は野生動物に戻り ...