【怪奇小説】青虫ラーメン〜死ぬ時は誰でもひとり〜
〜死ぬ時は誰でもひとり〜
翌朝。豚野餌吉の頭の霊は消えていた。
珍保長太郎はそれから、ちょいと所用で練馬区に出かけてもどってきた。
「幸先の良いスタートだ。もし、目が覚めた時に豚野餌吉がまだチンポをくわえていた ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜血のソーセージ〜
〜血のソーセージ〜
ラーメン珍長。
オッパイデカ子がキチガイ病院に入って困ったことがひとつだけある。客が来なくなったのである。
「まるでバブルの後のようだ」
珍保長太郎は痴呆のようにひとり言を言った。が ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜スヌーピーも絶望している〜
〜スヌーピーも絶望している〜
豚野餌吉は夢には出て来なかった。幸先が良い再出発である。
オッパイデカ子は発狂して、相模原の方の精神病院に入院した。措置入院だったのでしばらくは親族以外の面会は出来なかった。
やが ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜すごい、星がいっぱいだ〜
〜すごい、星がいっぱいだ〜
暗い闇である。
そもそも闇は暗いものなので『暗い闇』などという概念を思い浮かべる時点でだいぶ脳に損傷を受けているのがわかる。珍保長太郎は精神の暗闇の中をさまよっていた。ねばりつくような闇が上 ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜樹木希林が全身癌〜
〜樹木希林が全身癌〜
こんな感じで、ただの変態とわかった吸血巨乳美女のオッパイデカ子に夜な夜な血を吸われながら、珍保長太郎はラーメン屋で働いていた。意外な展開がひとつあった。けっこうな人気店になってしまったのである。と言っても ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜席取りゲーム〜
〜席取りゲーム〜
この世には確実に言えることがひとつある。それは包丁に刺されると痛いということである。おそらく、これに反対するものは、よほどの変わり者ではないだろうか? それほど、痛いものである。しかも、切れ味の良い包丁ですぱ ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜瀬戸内寂聴ならば可能〜
〜瀬戸内寂聴ならば可能〜
こういう古い町につきものなのが、ヤクザである。下北沢は暴力団同士の取り決めやらなにやらで、事情は知らんが、どの組も手を出さないことになってるらしいが、代田橋はいるのである。しかも、地回りのしょっぱいヤ ...
【怪奇小説】青虫ラーメン〜猫と年寄りしかいない〜
〜猫と年寄りしかいない〜
数日後。時間が止まったような日常を珍保長太郎は送っていた。頭の悪い客にまずいラーメンを作って出して食ったら金を受け取る。賽の河原のようであるが、これが人生というものであろう。つまり、生きている間から人 ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜蛇の目覚め〜
〜蛇の目覚め〜
空き家を出て行く鉄玉郎の後ろ姿を見ている人影がいた。
新宿警察署刑事部、青田寧男だった。青田が、何件もの連続殺人に関係していると確信している血に飢えた殺人鬼、黒岩鉄玉郎は妙にすっきりした顔で出てきた。 ...
【怪奇小説】空手対幽霊〜幽霊に顔射〜
〜幽霊に顔射〜
鉄玉郎は自分の背後で物音がすることに気がついた。オナニーに夢中で、危うく見逃すところだった。
振り向くと、先ほどの汚い子供が、ふらふらと這って逃げて行くところだった。頭の角が扁平にへっこんでいた。